時代にあわせた「仕事の変化」

起業したのは2006年です。実はそれまで、副業でホームページの制作を請け負ったり、ちょっとニッチなポータルサイトを自作で構築し運営して、アフィリエイトで収入を得たりもしていました。

当時はまだ、それほど多くの会社がホームページを持っていたわけでもなく、ちゃんとした構文とSEOの知識を使ってホームページを作れば、ちゃんと効果の出る時代でした。自分の作ったホームページによってお客様が喜んでくれ、お客様のビジネスが発展する、それを見るのはとても嬉しいことでした。

しかし、それからほんの数年のうちに、世の中にホームページがどんどん増えていって、それに伴い弊社お客様の競合も増えるようになりました。あからさまに、僕の作ったホームページを、そっくりそのままマネをするような競合まで出てきました。

僕たちはそれを期に、「SEO対策」を自社のサービスとして加えました。

SEO対策とは、特定のキーワードに対し、検索エンジン上で上位に表示させる施策のことです。ホームページの制作会社は増えましたが、SEO対策までをしっかりやっている会社はまだ少なかったため、またしても「施策をすればちゃんと結果が出る」というフェーズに入りました。それでまた、お客様に喜んでいただくことができました。

ところがやはり、その施策もすぐに他社が取り入れるようになりました。

SEO対策は「先行者優位」が成り立ちやすい施策であるため、我慢づよく続けていれば効果を保つことが出来ます。しかしSEO対策が「労力」に依存する部分も大きいため、それなりの会社が大きな資本をかけて参入してくると、効率が悪くなるような側面も出始めました。それに加え、SEO対策が着手してから効果が出るまでにそれ相応の時間がかかるため、せっかく着手したものの途中であきらめてしまうお客様も出始めました。

時代はまだまだ黎明期でしたので、今考えると本当にもったない、もっと強く引き止めておけばよかったと悔やむ案件が何社もあります。

そのあたりの、SEOが持つデメリットを補完するために、僕たちは「ウェブ広告」を新たにサービスとして導入しました。

SEOで効果が出るまでの間、検索結果に対し広告を出すことで短期的な成果を確保しよう、という施策です。これもまたとてもうまくいきました。SEOと広告出稿を同時に始め、SEOで効果が出始めると広告にかける予算を薄めていきます。競合が追いかけて来て、またSEOの効果が薄くなったら、今度は広告を再投入してポジションを確保します。

そうした多層的な施策が、弊社とお客様の関係性を強くしていきました。

現在は、上記に加え、SNSの運営や、LINE公式アカウントの運営、Googleビジネスプロフィールなど、多種多様なウェブツールを全面的に使った施策のお手伝いをしています。弊社で代行できるものもありますが、それも年々難しくなって来ています。

インターネット(とりわけGoogle検索エンジン、SNS、YouTube)等によって、「情報」は誰でもカンタンに手にできるようになりました。また生成AIなど、とても優れた「ツール」についても、誰にでも低コストで使え、汎用できるようになっています。

一昔前であれば、新しいツールや情報を、他者に先んじて導入ことで、「施策」や「ハック」を効かせポジションを確保することができました。今でも一部有効活用はできますが、それらが持つ有効性のタームが年々短くなっていると感じます。

つまりこれからの時代は、本質的に魅力のあるサービスや商品しか生き残っていけない時代になるということです。僕たち自身、そんな時代のなかでは生き残っていくのは難しくなるでしょう。資本がなく、裂ける労力にも限界のある僕たちが、唯一希望の持てるもの、それは「えこ贔屓をしてもらえる環境を、自身で我慢強く創り育てていくこと」だと考えています。

それを「ファン化」と呼ぶんだと思います。

弊社ではこうした流れのなか、「すべての事業において、コミュニティ(=ファン)化の設計・デザインはますます重要になる」という方向性のもと、半ば「社会実験」のような気持ちで実店舗を経営しています。

僕たちが本屋さんを始めた理由
https://makoro-plan.com/blog_230623/

自社が持つこれらの実践やノウハウをお客様と共有し、これからの時代を一緒に乗り越えるべく、お客様の優秀なブレインとして知識とスキルを磨き上げていく、そんなスタンスでいられたらと考えています。

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