ホームページにそんなにお金をかける必要があるのでしょうか。
他人の商売の足を引っ張る気は毛頭ないのですが、ときどき定期的にやって来る「リース契約で300万の見積もりが…」ってご相談。お話しいただいた社長さまに「どんなホームページが作りたいのか」「そのホームページでなにを実現したいのか」詳しくお話しを聞き、それに対するお見積りを出させていただくと、「0いっこちゃいますね…」めちゃくちゃ驚かれます。
そんなことが、この仕事を初めてからこれまでに、両手両足では足りないくらいたくさんありました。もちろん、うちとは仕様書に出てこない細かいところが違うのかも知れませんし、制作後のサポートがあるとか、ハワイ旅行がついてるとか(笑)別のメリットがあるのかも知れません。しかしその後、弊社に「0いっこ違う」コストで実際に制作をご依頼いただいて、これまでクレームのようなものがあったことは一度もありません。
初詣とか “オマジナイ” なんかとおんなじで、「やってたとき、と、やってないとき」ハッキリ比較することはできませんが、こと「一般的なホームページを作ること」においては、トレンドを意識しながらサイト構成を考え、社長の想いがしっかりと込められて、会社の実績や方向性がちゃんと見やすくわかりやすく整理し明記されていれば、「0いっこの違い」はキッチリ解消されてるはず、そう自信を持って言えます(ダテに18年もやって来てないのでw)。
とはいえ僕も経営者です。事務所の家賃を払い、スタッフへお給料をお渡ししたり、トイレットペーパーだって買わないとやっていけません。「もっと単価上げてもいんでは?」って迷いは、そうした相談を受けるたびにやはり脳裏をかすめます。「0いっこ」というのはさすがに(うちとしては)暴利であったとしても、そこに市場があるのなら、もう少し単価を上げて、得た利益をお客様やスタッフ、また社会に還元するという方法だってあるのかも知れない。そんなことも考えたりします。
そもそもホームページをつくのに、一体何にそんなにお金がかかるのでしょう。うちで言えばそれはズバリ、「人件費」です。てか、それ以外にないと言っても過言ではない。取材をしたり、写真を撮ったり、記事を書いたり、デザインしたり、素材を集めたり、コードやプログラムを書いたり、そんなこんなにかかる「人工(にんく)」が、そのまま制作費として充当されます。デザイナーもコピーライターもカメラマンもプログラマーも、経験が深く、腕がいい人ほどコストが上がります。つまるところ僕たちの仕事は、お客様の要望に対し、適正かつ腕のいいプロを、適正価格でコントロールすること、それに尽きると思います。
(ちなみにですが、よく他社さんのお見積もりで見かける「ブランディング」という項目。一時期ブームになったキラーワードではありますが、提案されるブランディングが果たして芯を食ったものか(=ちゃんと売上や利益に繋がるのか)は、「どこまで徹底して、社内改革まで含めてやるか」「経営陣にその覚悟があるか」ってところに(特に零細~中小企業の場合は)終始するんじゃないかと思います。ホームページのデザインひとつでどうこうなるって、難しいんじゃないかなって思います)
いずれにしても、僕が起業した当時から、ホームページ制作やウェブマーケティングが、「価格の単純比較がむずかしい案件」であることは変わっていません。「高額なコンサルの言うことを真に受けてリニューアルに失敗した」「大企業のロジックを自社にも通じると思い無駄遣いをした」そんな相談は、年に10回以上ヨユーで聞きます。もう耳にタコです。
これは、大手をターゲットにしていた都市圏のコンサル会社や制作会社が、エリアの競合に押され、地方にある小さな会社にまで触手を伸ばして来た結果なんじゃないかなって思っています。「完全に騙された!間に入って交渉してくれ!」なんて言われても、相手はハナから結果が見えたうえでガッチガチに契約巻いて来てるので、残念ながら「後の祭り」です。ほんとに気の毒ではあるんですが、これまで交渉でどうにかなったケースはありません。
ハッキリ言って、小さな会社のホームページやマーケティングなんて、大企業と同じようにしてうまくいくはずないし、そんなにお金をかけなくても成果出せますよ。
もちろん、大きな欲はかけませんし、やってすぐに効果なんて出るものなんてありません。努力もしっかり必要です。小さな会社にとって重要なことは、一瞬間のボリュームよりも、「続けること」「積み上げること」です。続けることは、コストなんてかけなくても誰にでもできます。そうした観点でホームページやウェブマーケティングを見てみると、それらは誰にでも公正で扱いやすい、とてもフェアなツールであることがわかります。
ホームページなんて、安くていんです。そんなところにコストをかけず、「運営」に情熱を注いでいきましょう!というのが、僕たちのスタンスです。忙しいのはみんな同じです。続かないのもみんな一緒です。だからぜひ僕たちと一緒に、「コツコツ」「我慢強く」続けていく体制を作っていきましょう。
コンサルに言われた通り、大手のマネっこをして月30万円もかけたらすぐにヘコんでしまう(=撤退せざるを得ない)マーケティングも、月5万円くらいなら続けられると思います。「パートさんを1人雇う」と思って、(僕たち掃除やお茶汲みはできませんが)ホームページを「ちゃんと働く営業マン」に、僕たちと一緒に育てていきましょう。